2014年06月06日

最強打者は3番か4番か

最強打者は3番を打つべきか4番を打つべきか。

どちらかと問われれば、答えは3番でしょう。

最強打者は4番よりも、3番に置くべきです。

なにか事情(たとえば左右を交互に置きたいといったような事情)があろうとも、通常最強打者は4番よりは3番を打つべきというのが普通の考えです。

簡単に言えば、強い打者の打席を増やしたほうが年間を通してのチームのオフェンス力はあがるのです。

それがうまくいかない日があったっとしても、逆にうまくいく日もあるので、あくまで長期的に考えることが大切です。

四番打者より三番打者のほうが年間の打席数がかなり多いです。

もちろん先発との特別なマッチアップにより今日だけは彼が最強と呼べないといった例外的なケースもあるかもしれませんが、それでも相手先発が9回まで投げきる保証はありませんから、たった一つ、4番降格(?)のメリットがどこまであるでしょうか。一時の印象や運に左右されてはいけません。

さらに言えば、打席が多い方がよいという意味では最強打者が1番というのも理屈にはあっているのです。

四番と一番では年間打席数が相当違います。

最強打者の打順は一番「でも」いいのです。

よい打者から順に先頭にならべていくということです。

厳密には、各打者の走攻の特徴(足の速さや投手に投げさせる球の平均数などなど)により、こまかな要因も出てきます。何をもって最強の基準とするかという問題もあるのでこれはざっくりとした考えですが、「よい打者を前に持ってくる」というのは基本的には正しいはずです。そのように構成するデメリットよりも、メリットのほうが通常大きいのです。

たとえば、セイバーメトリックスの世界で頻繁に語られる、シンプルなベスト打順構成の例としては「出塁率の高い打者から順に並べる」です。

ランナーがいるほうが、一般的に打者の数値はあがるのでともかく、出塁率のよい打者から並べるのです。出塁率の高い選手を必ずしも「最強」と呼ぶことはできませんが、その数値のランキングはかなりの好打者のランキングと重なります。

それでも、長打率が高い打者の前にはランナーをおいておきたいので、出塁率が高いからといってそのような打者を先頭にもってくるのはもったいないという話はわかりますが、思惑どおりに打順が消化されることが約束されているのは初回だけ。

ある打者の前にランナーをためるとか考えるよりも、強い打者の打席数を増やすほうが長期的にはよいのです。

メリットの大きさが違うのです。

ただし、もともと打順変更がチーム力に与える影響はそれほど大きくはありません。

実際にはぜんぜん大きくないのです。

もちろん、弱い打者から順に先頭から並べるのと、強い打者から順に先頭から並べるのではそれなりの違いが出るかも知れませんが、実際には前者のようなやり方をしているチームはないです。それにおおまかにいって後者のように打順を完成させるチームも現実にはありません。

つまり現実に行われる打順変更では、ワーストからベストになるケースはないのです。

確かに最強打者を5番くらいにおいてしまってロスがやや大きめのチームはあります。が、全体としてはどのチームでもよい打者は上位にいるので、現実に「最悪の打順構成」にはなっていません。すでに、どちらかといえばワーストよりもベストに近い状態なのです。

なので、多少打順を入れ替えてより年間のオフェンス力が大きくアップするなんていうことは普通は起こりません。

冒頭の問いに戻れば、3番と4番を入れ替えてもたいした違いは実はないのです。3番と4番は通常、3番と9番のような大きな力差はありませんよね。

入れ替えた直後にたまたま打線が機能しはじめたとしてもそれはたいがいはランダムの影響です。たまたまです。

なので、実は冒頭の問い「最強打者は3番を打つべきか、4番を打つべきか」に対するもうひとつの回答は「どっちでもいい」かもしれません。

ここまで書いてきたようなことは実は「野球経験が多い人」ほど理解していなかったり、理解しようとしないことが多いのです。短期的な成功体験や失敗体験のみが方針に直結してしまい、統計的な長期的な視点が欠けていることが多いのです。偶然に起こったにすぎない二つの事象に、因果関係をつけてしまっていたりします。

横から数学的視点だけでものを語られることへの不愉快さもあるかもしれませんし、それは十分に理解できます。

「敬遠というのは長期的に見ればマイナスの策」という有名な話も、それほど野球経験が豊富でない人のほうがすぐに受け入れているように見えます。

この記事を見て不愉快に思う方や反論のある方がいれば、ごめんなさい。あまりにざっくりと書いたので、私の説明が不足しているのも問題です。

ただし、もし真剣に反論をしようと思ううことがあれば、まず、そしてぜひ、何冊かセイバーメトリックスの本を読んでみてください。野球の、特にオフェンスの強さというものに関してはかなりの精度で数字で解答を出せるのです。もしこれを読んでいる方が高校野球や少年野球の監督さんなら、きっと役に立つはずです。

最強打者の打順についての話でした。

参考:以前書いた記事「クラッチヒッターなど存在しない」
posted by OT at 12:45 | MLB メジャーリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする