2009年07月09日

スポーツブックは本当に稼げるのか

「スポーツブックで稼げるのか」

自分の答えは一つです。

「真面目にやれば間違いなく稼げる」

それを説明します。


スポーツブックを投資として、仕事として、労力をかけて真面目にやれば稼げます。

もし質問が「競馬で稼げるのか」や「カジノで稼げるのか」であれば、原則として自分の答えはNOです。還元率の低さや、ベッターそれぞれにほぼ一定に課せられるマイナスの期待値を乗り越えてプラスを維持することなど出来ないと思っているからです。投資としての要素がないと思っています。

逆に競馬で稼げている人がいるならスポーツブックへの本格的な転向を強くおすすめします。還元率が75%程度の競馬でプラスを出せるほどの投資のセンスがあるなら、100%近い還元率が普通のスポーツブックでは間違いなく成功出来ると思います。


スポーツブックに関しては理論的にも経験則でも、自分は稼げることがわかっています。

理論で言えば、一つには上記した還元率の高さです。PINNACLE5DIMESのような超高オッズブックメーカーを駆使すれば素人でも100%近い還元率が期待出来ます。

また、オッズの提示がブックメーカー方式であることもあります。公営競馬のように売上の一部を当選の購入口数で割って客に配分する形式ではありません。ブックメーカー方式では各オッズメーカーの見立てでオッズが決まりますので、客側が大きなプラスの期待値を獲得し、結果的に胴元が負けることさえあります。結果だけでなく、客側の期待値がプラスとなる試合が、すべてではなくとも、頻繁に発生してしまう仕組みなのです。日本の競馬のようにどのレースでも胴元の利益が保証されるなどということはありえません。

例えば互角の力の2選手が戦う試合で片方の選手にブックメーカーが2.2倍がつけたとします(よくそんなことはあります)。この時点で2.2倍を買えば、勝率は50%ですから、プラスの期待値です。客側全体が飛びつけば逆側全体にプラスの期待値が発生していることになります。ブックメーカーが慌ててオッズをずらしても、既に買ったオッズは変更されません。もしその選手が実際に勝てば、プラスの期待値が発生しただけでなく、結果としても勝負に胴元が負けるわけです。

期待値がプラスのピックがあるというなら競馬も同じだろうと言われそうですが違います。競馬は大穴など、個々の選択においてプラスの期待値が発生することはありますが、客の大半がプラスの期待値が発生することはありません。また、結果もそうです。公営競馬は必ず客側は全体としては負けます。

また、個々のピックに関しても、基本的な還元率の違いと、提示オッズの算出方法の違いから、競馬などと比較にならない頻度と明確さで大きなプラスの期待値が発生する試合が出てきてしまうのです。

個々の客の対ブックメーカーはもちろん、客側全体に大きなプラスの期待値が発生してしまうことも多いのがスポーツブックなのです。競馬やカジノではありえないことです。

カジノではルーレットの1回の勝負を考えていただければわかるように、結果としては胴元が負けることもありますが、客側に期待値がプラスになるゲームは(一部のゲームやプロモーション等を除けば)原則としてただの一度もありません。還元率は高く、胴元が負けるゲームや負ける日はあるかもしれまぜんが、それでも客の期待値がプラスになるようなこと(例えば半分以上の確率のベットに2倍以上つくといった、上記したテニスのサンプルのようなベット)はありませんので長期的には固定された還元率にすべてのベッターの成績が収束していきます。


スポーツブックは期待値がプラスのピックが数多く存在します。それを選んでいけば一定の還元率に拘束されないのです。

スポーツブックを経験すればわかりますが、ブックメーカー(オッズメーカー)が正確に勝率を判断出来ない、もしくは正当なオッズを提示出来ないことはしばしばあり、そのようなケースには明白な投資チャンスが訪れます。

言ってみれば勝手に訪れてきてしまうそのチャンス、それを逃さず投資するだけです。

しかも、ブックメーカー方式では同じピックを、個々のベッターが違うオッズでとることになります。どのタイミングでどのブックメーカーのピックをとるのか、オッズの動向や最大のバリューを見定める点など、公営競馬以上に厳密なオッズ判断や動向予想が必要になり、その分スキル差を十分に生かせる環境があります。研究するだけ、周囲より上のレベルの投資判断が出来るようになります。これが公営競馬より個々の投資家の期待値に大きなばらつきが出る主な理由でもあります。

少し積極的な視点で言うなら、研究を積み重ね期待値を正確に計り、プラスの期待値を持つバリューベットだけに投資していく努力を続けていけば「スポーツブックで間違いなく稼げます」。

自分がスポーツブックやパチンコを、カジノや競馬などより厳密な意味でのギャンブルと区別し、むしろ投資と考える理由を言い直すとこういうことです。

「全体的な還元率の高さと同時に、個々の期待値にも大きなばらつきがあり、期待値上位者は、様々な理由や環境により市場全体で期待される平均的な還元率の壁を乗り越え、やすやすとプラス領域にたどりつけるからです」


仕事ですから時間はかかります。でも真面目にやればほとんどの人は総投資額(ベット額)に対して利益率を最低でも1.5-2%程度は出していけるようになると思います(それより上になればこしたことはないが)。


次に経験からの話です。以前PBJで投稿していた予想は通算で大きなプラスを出しました。自分の稼ぎは少しここで言うのもはばかられる額になっています。捨てても良いと判断したマイナーブックメーカーで平均1000ドル近いベットを多数繰り返し、出禁にもなりました。

うれしいことに、金融市場と違いスポーツブックマーケットは不況の影響が少ないのです。

それよりも、チーム力や選手力の分析に、1日10時間もかける。こんなことをもし毎月赤字なら誰がやるでしょうか。自分の情熱は稼げるから出てきているので稼げないなら他の仕事に時間をかけます。

今、予想以上に還元率を上げられており、自分でも驚いています。各ブックメーカーに気をつかって行動しています。来年あたりはイギリスやベガスへの遠征期間も含め、投資の何割かは店頭で実行しようかとも思っています。


ただ、ここが重要なのですが、片手間で何となくやるのであれば無理です。例えば先発ピッチャーの名前で賭けていては稼げません。よほどの天才的センスがないと無理です。2ー3ヶ月(ベット数にもよるが)は勝ちつづけることは運の偏りで誰にでも起こりうるのですが、確実に生活を支えていくことは出来ません。

センス、時間がなかったと諦めましょう。他のことで真面目に稼ぎましょう。今何千ドル負けていたとしても関係ありません。負け分を取り返すのではなく、スポーツブック以外の投資対象や仕事を見つけましょう(どんな仕事も一生懸命やらなくては稼げないというのは同じだと思いますが)。


そうは言っても、多くの素人ベッターが負けてくれるから、真面目に研究して少しだけ高い期待値を維持しながら活動するプロベッターの存在が可能になるのです。前にも言いましたが、素人ベッターを食い物にせざるを得ない因果な商売なのです。


今1日平均で10時間近い時間をかけてテニスとMLBの各試合の分析を行い、次の日に備えています。

出来る限り観戦もしますが、観戦には時間の限界もあります。それでもテニス(ATPとWTA)やMLBの一日で行われたほぼすべての試合をスタッツやハイライト、選手のコメントから分析し、チームや選手の状態をつかみ、次への期待度を見積もっていきます。

先日からデイリーレポートをMLBとテニスで出しています。これは大変ですが、やってみると自分にとってメリットが大きいのです。今まで軽くメモと記憶でやっていたようなことをはっきりと書面にすることにより、より明確に選手やチームの状態を把握出来るのです。ベットしながら、これはちゃんとした期待値をとっているなと納得出来る機会も増えた気がします。

以下に過去の7/7分のテニスデイリーレポートと7/5分のMLBレポートを示します。
(最新の7/8分は既にスポーツテクニカルズに投稿してあります。)

ここで抜粋する過去のデイリーレポートは、次の2点を間接的に示していると思っています。

1.稼げるから努力出来る
2.努力なしには稼げない

証拠とまではいきませんが、この2点にそれなりの説得力を持たせるデイリーレポート、プロベッターのための世界で唯一無二のデイリーレポートだと自負しています。

読んで見てください。皆さんならこの記事を毎日書けって言われたら、いくらもらってやりますか?もし自分がスポーツブックをやっていないとして、1日3万円あげるからこんなレポートしてくれと言われたら絶対断ります。

このデイリーレポートは自分のベットに役立たないなら、とても毎日やってられるものではありません。


記事の内容で証明していく。これが自分の揺るぎなきスタイルです。


テニスデイリーレポート7/7からの抜粋
WTA女子テニス@ハンガリー

アグネス・ザバイ

地元ハンガリーのザバイが良い状態であることが確認できた。ウィンブルドンではフリプケンスの出来の良さの前に多少焦って初戦負けしたが、グラスでの調整試合などをほとんどしていなかったことも影響している。昨日は左右のストロークやネットプレーなどショットセレクションも素晴らしく、カタリン・マロシ相手にブレークを許さずに勝利。特に相手のセカンドサーブではポイントを100%とるなど、ラリーでの制圧力を見せた。体調も問題ないようなのでタイトル争いに食い込むか。期待出来る内容と言える。


マリア・コリツェワ

アナ・ラプシチェンコワにストレート勝ちしたが、ラプシチェンコワのサーブが悪すぎた。ラプシチェンコワは8のサービスゲームで11本のダブルフォルト。コリツェワ自身も1stサーブでのポイント獲得率は53%しかとれず、4本のダブルフォルトも記録。9ゲームで7回もブレークチャンスを与えるなど決して良い出来とは言えなかった。コリツェワはウィンブルドン、その前のイーストボーンでもサービスゲームに苦労し、それぞれキングとボスコボエワに完敗している。ここ1ヶ月でブレークチャンスを与える率は0.82/ameと高い。ランキングが下でも若さや勢いのある選手にならもっていかれる可能性は十分。次の相手ペトラ・マーテックはまだ若いが、予選と1回戦をすべてストレート勝ち。その1回戦ではサファロワ(ランキング48位)の相手にブレークを許さない戦いだった。マーテックは全仏でも予選を勝ち上がった上1回戦でも勝利をしている怖い相手。マーテックはサービスゲームの安定感が、目立ち予選では、カテリナ・ボンダレンコをフルセットで苦しめたジュリコワに1回のブレークも許さず完勝している。


シビル・バマー

コーチや本人いわく、一時の首の故障からは回復しフィジカルは良い状態にあるらしい。今日のザコパレハ戦では全体的にラリーをコントロールし、相手のサービスゲームでプレッシャーをかけつづけストレート勝ち。確かにウィンブルドンやその前のイーストボーンで見られたほどのサービスゲームの全体不安定さやダブルフォルトの連発はなかった。イーストボーンでは彼女の風の影響を受けやすいが足を引っ張った部分もあり、故障の回復と合わせて考えれば今回はそれなりに期待出来る大会なのかもしれない。最近は負けが多いとは言っても、オーディンやメディーナガリゲス、チンクなどそれなりに力か勢いのある選手相手の敗戦。ザコパレワ戦では、サーブ1stサーブも74%が入りダブルフォルトも1本。比較的安心して見られた試合ではあった。しかし、セカンドセットには1stサーブでもポイントをとるのに苦労するなど不安要素が垣間見える部分があった。イーストボーンでも試合ごとに内容が変わったように、連戦を通しての安定感には不安がある。好転の兆しは見えるがまだ不安もある。


アリサ・クレイバノワ

モニカ・ニクレスクに圧勝した。ただし相手は、前試合(6月のフランスのクレーコート)でも131位のバシンスキー相手に何も出来ずに終わったニクレスクでありどこまで高く評価出来るかは難しいところ。それでも1stサーブを65%と、彼女にしては高い確率で入れていた点は評価出きるし、相手のセカンドを81%でポイントにしており、最近の彼女がリターンゲームでしかけるプレッシャー度合いが示された形になっている。ウィンブルドンのクリコワ戦では勝負弱さを見せたクレイバノワだが、その試合では1stサーブが入らず、またグラスでの十分な準備が出来ていなかったことも影響していた。クリコワは予選上がりでコートへの順応が出来ており、本来適性のあるグラスでクレイバノワのミスを利用して勝利したが、本来はクレイバノワの試合だった。1回戦のように1stサーブが入るなら次の試合も優勢に進められるだろう。相手のカテリナ・ボンダレンコは、1回戦でランキング299位でダブルフォルトを6つ出してくれたジュリコワ相手にフルセットの苦戦。ウィンブルドンでも1回戦では勝ったもののセバストワ相手に11回もブレークチャンスを許す危なっかしい戦いだった。


ティメア・バシンスキー

5-7 6-4 6-0でエラーニを下したバシンスキー。ただし、6ー0のスコアが、そして第3セットのエラーニの1stサーブでのポイント獲得率36%、セカンド0%が示すように、最後はエラーニの気持ちが切れて流しただけのセット。バシンスキー自身も9本のダブルフォルトを出し、セカンドサーブでは40%しかポイントをとれず、相手に15回のブレークチャンスを許すなど、良い内容とも言えなかった。ただ負けはしたもののウィンブルドンのバルトリ戦でも前半は良い動きを見せ、ここでも予選2試合を完勝しているので状態は悪くないはず。次の相手のメイヤーは1回戦では、故障が発生した相手の不出来に助けられたが良い状態ではない。予選でもダブルフォルトが多かったバシンスキーだが、よほどその点で悪い状態にならない限り、メイヤーはエラーニに比べればはるかにやりやすい相手ではないだろうか。メイヤーは1回戦でもメンタルの不安定さを見せるなど評価出来る内容ではなかった。

WTAテニス@スウェーデン

マリア・ホセ・マルティネスサンチェス

カネピにストレート勝ち。1stサーブの確率こそ低かったものの、サービスゲームで71%のポイントをとり、1回のブレークも許さなかった。ただ今シーズン故障がちのカネピは5月以来連敗中で本調子とは到底言えない状態であったことには留意すべき。


フラビア・ペネッタ

ペネッタはスキアボーネに快勝。ラリーをコントロールして10回のブレークチャンスのうち5回をとっての勝利。ペネッタの1stサーブの確率(42%)がもう少し高ければ楽に勝っていたかもしれない試合。ただし、スキアボーネはウィンブルトン等の疲れやレットダウンもあり、モチベーションにも疑問があった。スキアボーネ自身のテニスがベストとはかけ離れておりペネッタを高く評価しすぎることは出来ない。次の相手のペスキリックは2月にペネッタに勝ったことからもわかるように危険な相手。運動能力が高く確実性もあり、不安定なプレーをすることも多くなっているペネッタがそんなに楽には勝てないかもしれない。ペネッタのこの大会に対するモチベーションには疑問もあるので大幅favoriteでエッジのあるケースではない。



MLBデイリーレポート7/5からの抜粋
ジオ・ゴンザレス制球安定

制球難が課題で結果を出せていなかったアスレチックスの先発ジオ・ゴンザレスがインディアンス戦で6回6安打2失点8三振と好投し初勝利。評価出来るのはシーズン通算でも40%程度しかストライクになっていなかった変化球(主にカーブ)でしっかりゾーンをせめられた点。例えば、5月のレイズ戦では27球投げたが半分以上ボールだったカーブだが今日は65%がストライクゾーン。左右両方に有効に使えた上(今年よく打たれている左打者相手には全投球の43%がカーブ)に、カーブは被安打も0。カーブに関しては強い当たりも無かった。ストライクゾーンのカーブでも空振りやファイルがとれたので、自信をつけたことが推測される。今日のようにようにカーブが使えるなら、彼は三振とゴロアウトを積み重ねる制圧力があるピッチャーだけに、防御率6点台という数値とはかけ離れた印象のピッチングを出来る可能性がある。昇格後、以前よりややリリースポイントが上がっているのはメカニカル修正か?


クリフ・リー 投球数増

インディアンズ先発クリフ・リーはアスレチックス戦では4四球もあり球数を増やし6回8安打3失点で降板。1stストライクは66%の確率で入れておりカウントはいつものように先行出来ることが多かったが、フィニッシュの変化球のボール率、またはストライクでもファウルになる率が高く、最後は四球になってしまった。本人のコメントでも四球以外には特に問題点はなかったとのこと。変化球に少し強い打球が多かった。特に右打者相手のチェンジアップは3本のヒット以外にも良い当たりが。pfxで見る限り彼の良い時よりは、チェンジアップに落差がなかった。それでも格別問題となるような兆候は見当たらない。


チェンバレンは別人

球のクオリティそのものが落ちてしまったピッチャー。今年ふがいない登板を続けてきたチェンバレンは今日のジェイズ戦でも3.2イニング8失点で降板。ここまで投球数が増えすぎることが課題になっていたチェンバレンだが、今日は初球を67%でストライクゾーンに入れ、カウント先行への意欲は感じられた。もともと彼は球の制御がまったく効かないというタイプでなく、ファウルで粘られながら四球を出してしまうことが多い。ストライクゾーンに投げること自体はまだ出来る。ただし今日も先行してからは変化球が大きく下にはずれたりストレートも空振りがとれない場合が多くフィニッシュが決められない(今日もストライクボールに対する空振り率は8%と低かった)。彼はフォーシームのピッチャーであり、全投球の6割以上を占めるその球が大きく球速を落としていることは致命的。ゴロアウトの急増(GB/FBは2007年 0.90 2009年 1.65)は彼がフォーシームで三振とフライアウトを重ねる2007年のようなピッチャーでなくなっていることを示している。実際にフォーシームが2007年に比べて5マイルも平均速度を落としていることにつれて、彼の変化球でキーになっていた高速スライダーも2007年から2マイル以上球速を落としている。また、スライダー、カーブとも右打者から逃げるような動きを失っている。この変化球の質の変化も、右打者に対するOPSが格段に上がっている理由の一つかもしれない(今日もスライダーを右打者に4安打されていた)。完全に打者にとってくみしやすい相手になっていることはスウィングやコンタクト率からもわかる。ボール球のスィング率は2007年の35%から、2008は26、23と落ちておりボール球でストライクやアウトがとれなくなっていることがわかる。また、ストライクゾーンの球を打者がスウィングした時のコンタクト率は2007が80%、2008が84%であったのに2009は90%にまで上がっている。ボール球でもストライクゾーンでも空振りをとるのに苦労するピッチャーになっている。チェンジアップがないためか、特に左打者にはフィニッシュを決められず、球数を増やしながらの苦しい四球も目立つ。以前とはまったく違うピッチャーとして考えた方がよい。もっとストレートを動かすか、本格的に使えるチェンジアップを覚えないと厳しいのではないか。


ブレッド・セシル ハードヒットを受ける

ジェイズ先発のブレッド・セシル、3.2イニング9安打4四球7失点で降板。1stボールでしっかりストライクがとれず(1stのストライクゾーン率は52%)苦しんだ。偶然のヒットではなく、強い当たりが多く、打者にしっかりとらえられていた。この左腕は右打者相手のシーズンOPSが1.074とかなり高いことから右打者の制圧が課題だが、今日も右打者に6安打を喰らっていた。4四球はあったものの、本来はストライクゾーンに入れること自体は出来るピッチャーなはずだが今日はストライクゾーンでも真ん中近辺の甘めが多く(3人に1人以上のバッターに3ボールになるので甘くならざるをえず)、痛打されることが多かった。彼のチェンジアップやツーシームは横方向への変化がフォーシームとあまり変わらないのでそこが右打者に対してとらえられやすくなっていることと関係しているのかもしれない。彼はボール球をチェイスさせることにそれほど長けているとは言えないピッチャーだが、今日も変化球のボール球をほとんどチェイスさせることが出来なかった。また右打者相手のストレート系(ツーシーム含む)もボール球はほとんど見逃され、逆にストライクゾーンはほとんどスウィングされており、ストレートの制圧力にも不安が残る。配球や制球もそうだが、球自体の総合的なクオリティにも疑問が残る。


ノラスコ好投

パイレーツ相手に8回3安打無失点12三振と好投したノラスコは内容も文句なし。あれだけストライクゾーンを攻め、なおかつ強い当たりが少なかったことを考えれば十分に評価出来る内容。ストレートでカウントを先行させることが出来、追いこんでからのスライダーなどもコーナーや低めに決まり効果的だった。6月から素晴らしい数字を連続して出しておりその意味でも偶然とは言えない内容。試合前まで防御率こそ5.99と高めだったが、フライボールが43%あるピッチャーにしてはBABIPが0.362と高く、ここまでの残塁率も低かったことから、運のなさが防御率を上げていた面も大きい。実際ここまでのFIPは3.65であり、今後の防御率低下を示唆する材料には事欠かなかった。彼はBB/9も低く、今日の投球の配球図を見ても、ストライクゾーンのコーナーを使うコントロールも割合にしっかりしていることがわかる。左打者にもスライダーやカーブ、チェンジアップなどの変化球をバランスよく使って狙い球を絞らせない投球が出来ている。ほぼ左打者専用のチェンジアップは84ー85マイルと比較的高速ながら、しっかりと左打者の外に逃げる動きと沈み込みを持っており、これからも十分に有効であることを期待させる。ノラスコは左右の打者を制圧出来るしっかりとした4球種を持ち、またカウントを先行出来る制球力とアグレッシブネスを備えている。防御率よりはるかに期待出来るピッチャー。「All his pitches were good. His fastball was coming out of his hand real crisp, with a little bit of movement. His offspeed stuff was good, and he kept us off-balance. 」-- Jack Willson, Pirates.


オーレンドルフの不安

パイレーツの先発オーレンドルフはマーリンズ戦で5回9安打5失点と打たれる。ストレートのキレと制球がなくカウントを先行出来ないことが彼にはよくあるが、今日もそのパターン。初球に慎重になりすぎるのかストライクが入らない(1stボールのストライク率46%)。スライダーも横への動きがなく右打者をチェイスさせたり、空振りさせたりが出来ていなかった。ストレートにも速さが足りず、チェンジアップの動きも今ひとつ。それもあって今日も左打者に弱さを見せていた。好投もするが簡単に崩れることも多く、安定感をまだ期待しにくいピッチャー。周囲も認めるようにまだ完成された投手ではなく、今後の成長こそが注目される選手。


ブロンソン・アロヨ

今日のカージナルス戦で先発したレッズのアロヨ。5回11安打8失点。単に失点が多かったというだけでなく、ストレート、変化球ともに強い当たりの打球が多く(対ストライク比で0.172、対打数で0.360)、内容に沿う結果だったと言える。カウントを先行させるためのフォーシームやツーシームがストライクゾーンにはいったのだが(ストレート系のストライクゾーン率74%)、そのまま痛打されることも多かった(今日の11安打のうち7安打はストレート)。本人は単なるスランプと否定しているが、本格的に打ちごろの投手になっていると見た方が良いのではないか。そもそもシーズンK/BBが1.33と急降下していることはそれだけで見れば危険な兆候。試合後の段階で防御率5.85だが、FIPは6を超えており、内容的にも決して評価出来ない登板が続いている。既に100イニング近くなげているが、WHIPは1.57でありナショナルリーグの先発としては何とも頼りない。シーズンを通してストレート系は高い打率(0.322)を許しており、基本的には苦しいピッチングが今後も多くなると予想される。また、本来は球種の大さとともに、比較的安定した制球力など総合的な力で乗り切ってきた投手だが、今年はBB/9が3.6近辺と彼のここ数年の値と比べるとかなり高く、またストライクゾーン率もシーズントータルで48%台と大きく落ちているので、彼にとっても納得できるピッチングが出来ているとは言い難い。彼の本来のバリューピッチであるスライダーのキレと球速が落ちていることもあって、ナショナルリーグに移ってきたころの右打者相手の制圧力(2006年の右打者相手のOPSは0.546)も失せている。レッドソックス時代も年数とともに内容を落とし、レッズに移っても1年目こそは良かったがまた着実に落ちてきていることから考えると、この球種と制球で切り抜けるタイプのアロヨは、打者の目が慣れてしまえば、メジャーで一流のパフォーマンスを期待するのはかなり厳しい投手かもしれない。変化球も切れが落ちており、今日のカージナル戦でもボール球のチェイス率は約11%と激低。さらにボール球を打者が振った時のコンタクト率や、ストライクゾーンでのコンタクト率などは昨年に比べて一段と上がっており、制圧力を期待できにくい状況(ストライクゾーンの空振り率はシーズンを通しても8%未満であり厳しい数字)。また、アロヨは1ー30球目のOPSが0.900を超えており、今日もそうだったがいきなり失点をすることも多い。彼を高オッズで狙うなら立ち上がりだけ確認したあとのライブベットがベターか?


クリス・カーペンター 文句なし

レッズ戦に先発したカージナルのクリス・カーペンター。言うことありません。変化球は今日もほとんど打たれず良いあたりもなかったです。最近は文句つけるところがほぼないです。自分は気にいっているのは彼のスライダーやチェンジアップ、カーブの縦横への動きの素晴らしさです。ストライクゾーンでもヒットされず、ボール球も実にシーズントータル37%でチェイスさせています。


スコット・オルセン 良化か

ブレーブス戦先発のナショナルズの左腕スコット・オルセンが、8.2イニング3失点とまずまずの結果は出した。ただし8安打5四球。残塁の山があり助かったが、同じような投球なら次は大量失点の可能性も十分にある。WHIPがもう少し落ちてほしいところ。ただ故障者リストから帰ってきて2戦で連続でクオリティピッチをしており、メカニカルやフィジカルで調整及び良化を見て取ることは出来るかもしれない。実際故障者リスト入り前は本人も左肩の不調や痛みを認めており、ストレートやスライダーで球速が出ていなかった。DL後は少しリリースポイントが下がっているが、フォーシームや彼の本来のバリューピッチであるスライダーの球速が上がっているのは良い兆し。体調も良いようでさらに調整が進むならそれなりのクオリティピッチを期待出来るかもしれない。また、シーズン全体ではここまでBABIPが高く残塁率は低く、少し運が無かったとは思うのでERAなど全体的な数字が今より上がってくることは十分に見込める。それでもこのオルセンは右打者に弱さがあるのでチェンジアップが一つのキーになる。2006、2008とまずまずの防御率を残した年にはいずれもチェンジアップがバリューピッチになっていた。ここまでチェンジアップのバリューがマイナスで、右打者に0.954のOPSを許しているのは、チェンジアップのタイミングのずれと沈みが足りないことと関係しているのかもしれない。右からは三振もとれないので、ワシントンの低い守備力の影響も受けることになる。右の良い打者が連っている打線相手には慎重に考えたいピッチャーであると同時に今後も登板時にはチェンジアップやツーシームなど右打者向けにキーになるピッチのクオリティを追っていきたいところ。


デレック・ロウ

ワシントン相手に先発したブレーブスのロウは、5.1イニング10安打4失点とまたよくない結果。落ちずに甘く残るツーシームなどを左打者に痛打されていた。スライダーにも球威がなく(例えば昨年9月に好投したナショナルズ戦のスライダーに比べると3マイル遅い)、三振とゴロアウト合わせて10と彼にしてはものたりない数字。外角低めを中心に制球は抑えられてあれだけとらえられてしまうのだから、各球のクオリティに疑問が出てくる。ちなみに、ここ5試合のトータルWHIPは2.38と恐ろしいほどの値。力の衰えがはっきりしてきているように見える。低めに制球を集めるスタイルは変わっていないが、彼の本来のバリューピッチであるストレート(ツーシーム含む)やスライダーの球速がかなり落ちている。ボール球のスイング率や、ストライクゾーンの空振り率も下がるなど悪い兆候がたくさん並んでいる。K/BB 1.56への急降下、GB/FB 1.88への急降下はいずれも深刻。スライダーの切れや、シンカー系のストレートが機能していないことが推測出来る(実際ツーシームなどのV movementを見ても確認出来る)。かつてのロウと思わずにおいた方がよい。また投手有利のアトランタを出るとさらに数字を落としていることにも注意をはらうべき。



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posted by OT at 14:20 | テニス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする